ねぼすけ はとどけい

ねぼすけはとどけい

ねぼすけはとどけい

 ちいさな村の時計屋さんにはたくさんのハト時計が飾ってありました。時計が一時間ごとに鳴るたびにハトが飛び出します。しかし、1つのハト時計のハトだけいつも遅れて出てきます。時計が遅れているわけではなくハトが遅れてでてくるのです。村の子ども達は、学校の帰り道にこの様子を見るのがたのしみでした。
 おじさんは、いつかは直さないといけないと思いながらも忙しく直す暇がありませんでしたがある日、カラビア国の王様がやって来て店のハト時計を全て土産に買って帰ると言うのです。しかし、あの遅れて出てくるハト時計を見たとたん、全部正確なハト時計でないならいらないと言い出しおじさんは明日の10時までに時計を直す約束をします。でも、思いつく事を全てしてもハト時計は直りません。すると小さい女の子が
 あのねえ…、まちがってるかもしれないけれど…、
もしかすると、あのはと、とけいの中で、
ぐっすりねむってしまってるんじゃないの。

と教えてくれます。王様が来る前に時計を直せるのでしょうか?