2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

地下鉄に乗って 浅田次郎 講談社文庫 2005.8.29 完読 2005/08/30 22:08

☆☆☆☆ 初浅田作品。 感想…とてもせつな過ぎる。小説の形態は(というのでしょうか?)地下鉄を取り巻くタイムスリップ。どんどん父に似てくると他から言われて、そんなわけ無いと反抗してみる真次。父との諍いから自殺した兄の命日に地下鉄で帰る途中に、兄の…

楽園のつくりかた 笹生陽子 講談社 2005.8.25 完読 2005/08/26 14:32

YA

☆☆☆☆ 中学2年生の優は親の都合で田舎に引っ越す事になった。 おじいちゃんがだいぶ弱ってきて、優の事も自分の息子の博史と間違えるほど。お母さんは田舎暮らしを楽しんでいる。 都会の学校にいて塾だって行けば、東大だって目指せるのに… ここの学校は分校…

きのう、火星にいった。 笹生陽子 講談社 2005.8.25 完読 2005/08/26 13:38

☆☆☆☆ おれは小学校6年生、山口拓馬。 趣味はなんにもしない事、特技はサボる事。 なのに、木崎の陰謀で連合体育大会の選手になるし、病気で離れて暮らしていたひとつ下の弟が戻ってきて部屋は狭くなるでとことんついてない。 弟は、なんだか妙にハイテンシ…

魔女モティ 柏葉幸子 講談社 2005.8.24 完読 2005/08/24 23:10

☆☆☆☆ 柏葉さんの他の本が気になって探したら佐竹美保さんの挿画!とっても魅かれました。イスに馬乗りになって空を飛んでる表紙!その青がとってもきれい。 紀恵は小学校5年生。三人きょうだいの真ん中。真ん中って、「妹だからお姉ちゃんの言う事聞きなさ…

ブレーメンバス 柏葉幸子 講談社 2005.8.22 完読 2005/08/23 21:03

☆☆☆☆ 柏葉幸子さんのイメージが、霧のむこうのふしぎな町だけしか読んでいないのに、子供向けの優しいファンタジーを書く方だと決め付けていました。 この本も短編集で表紙もかわいくて子供にどうかな、と思って選びました。 11編からなるこの本は子供より…

口笛吹いて 重松清 文藝春秋 2005.8.20 完読 2005/08/20 13:38

☆☆☆☆ 重松さんの表題含む5編。1作除けばお父さんの物語。表題の口笛吹いて 小さい頃近所に住んでいた晋さんは本当の弟のように僕をかわいがってくれた。 その晋さんに仕事上で再会する。晋さんは高校時代野球の名門校に入ったものの、暴力事件で挫折してし…

冷めない紅茶 小川洋子 福武書店 2005.8.19 完読 2005/08/19 16:54

☆☆☆ 見せたくない本性? 気づいて欲しい奥底にある汚い自分? 冷めない紅茶はミステリーのような不思議な感じ。 ダイヴィング・プールは自分のなかにふつふつと沸いてくる矛盾への挑戦。 博士の愛した数式しか読んだ事のない小川さんだったので、本当の小川…

スンウ 12歳の明日 チョ・チャンイン フォレストブックス 2005.8.18 完読 2005/08/18 13:43

YA

☆☆ 本に記載されているあらすじ 母は家を出、父は死んだ。 たった一人の妹は余命三ヶ月の宣告を受けている。 12歳のスンウは、妹ヨンヒの最後の望みをかなえてやろうと、 彼女の手を取り、母を捜す旅にでる。 そこに忽然と現れたのが、組織を裏切って命を…

絵描きの植田さん いしいしんじ ポプラ社 2005.8.17 完読 2005/08/18 13:23

☆☆☆☆ 本プロ青子さんの日記に魅かれ読みました。 絵描きの植田さんは辛い過去の事故で耳を悪くしてほとんど聞こえない状態。絵の道具と少しの着替えを持って、都会から高原へ移り住む。 湖のこちら側に住む人々は親切だ。 豪快なオシダさん、昔フィギアスケ…

猛スピードで母は 長嶋有 文藝春秋 2005.8.12 完読 2005/08/12 16:52

☆☆ 第126回芥川賞受賞作 サイドカーに犬と表題作の2編 深読みできない私。ぜんぜん分からなかった。ゴメンナサイ。猛スピードで母は 母子家庭の慎はもうすぐ6年生の男の子。 学校の事も家の事も母はなんにも干渉しない。 それって僕の事考えるのが嫌な…

バラ色の怪物 笹生陽子 講談社 1365 2005.8.9 完読 2005/08/10 15:25

YA

☆☆☆ ぼくは悪党になりたい、ぼくらのサイテーの夏、と今回笹生さんでは3作目を読みました。 この本の主人公は中学2年生の遠藤君。位置づけとしてはぼくは…とぼくら…の主人公の中間の、思春期真っ只中という感じ。 母親と二人暮らしの彼は母思いのとても良…

カカシの夏休み 重松清 文春文庫 2005.8.11 完読 2005/08/12 00:33

☆☆☆☆ 表題作含む三編収録。重松さんにはまっています。 重松さんが教育学部卒だからか学校の生徒と先生のこと、とってもよく書かれていてジーンときます。 私自身が輝かしい(?)青春を振り返る事よくありますが、カカシの夏休みを読んで、またまた、あの子…

半パン・デイズ 重松清 講談社2005.8.11 完読 2005/08/20 13:36

☆☆☆ スメバミヤコと父親の体や仕事が原因でヒロシは小学校入学を新しい土地で迎えることになる。 ヒロシの小学校生活の中での色々がつまった物語。時代が1970年代で、この時代の小学生の方が私の身近な小学生よりもずいぶん大人びて感じる。 ヒロシは一…

日本にも戦争があった 731部隊元少年隊員の告白 篠塚良雄・高柳美知子 新日本出版社 ¥1365 2005・8・2 完読 --- 2005/08/06 16:06

今から60年前日本では戦争は日常の事。 731部隊とは、日本陸軍が生んだ世界最大規模の細菌戦部隊。国際条約違反を承知で、生物学と医学の知識を兵器にし、生きながら解剖したり、人体実験を行った 悪魔の部隊 と記されています。 この部隊の少年隊に1…

きよしこ 重松清 新潮文庫 438 2005・8・4 完読 2005/08/04 20:05

☆☆☆☆ この本も重松さんらしさを感じました。 少年白石きよし君の小学校から大学受験までのとても大切な物語。 重松さんが自分に良く似た主人公で物語をつくった。 それは遡った日記のようにも思えるし、残したい思い出を確認しながら自分のために綴ったよう…

優しい音楽 瀬尾まいこ 双葉社 ¥1260 2005・8・3 完読 2005/08/03 11:45

本プロ皆さんの高評価で期待しすぎて読んでしまうと、醒めて見てしまうのでは…と勝手に思って、気持ちを抑え気味に読みました。 3作とも私好み。 優しい音楽は、千夏とタケルのお互いが出会ってから変化していく気持ちがとても優しい。 タイムラグは、美雪…