バラ色の怪物 笹生陽子 講談社 1365 2005.8.9 完読 2005/08/10 15:25

☆☆☆
 ぼくは悪党になりたい、ぼくらのサイテーの夏、と今回笹生さんでは3作目を読みました。

 この本の主人公は中学2年生の遠藤君。位置づけとしてはぼくは…とぼくら…の主人公の中間の、思春期真っ只中という感じ。
 母親と二人暮らしの彼は母思いのとても良い子。帰宅部で家事も手伝う彼だけれど、つい話のはずみで母に反抗的な言葉をはいてしまったり、この時期にはよくありがちな健康な中学生におもえた。

 壊れたメガネを買い替えるのに母親に言えず、中学生でもできるアルバイトに手を出したり、内申のために温室管理ボランティアを引き受ける遠藤君。
 いままで、生活していた世界から両手を伸ばして自分の世界をひろげていく。
そして、こちら側にいすぎるとこちら側の事しかわからなかった自分に気づく。

 中学生が子供と大人の境目になっていることがよくわかりました。また、中学生といっても子供に近い子と、大人に近い子の差がとっても激しいのでは?と感じます。
 笹生さんはそんな中途半端な年代を着目してよく書かれていると思います。
 

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あさがお > 今、笹生さんの『楽園のつくりかた』を読み始めたところです。さんざん文句言っときながら、結構楽しんでます。これも文庫になったらぜひ読んでみたいなあ♪中学、高校辺りってやっぱり特別な年代ですよね。その年代を過ぎ去ってようやく気が付きました(笑) (2005/08/10 18:24)
three bells > あさがおさんレスありがとうございます。感想を書くって本当に難しくって…バラ色の怪物っていったいなんのことだったんだろうと後になって思いました。吉川さんという個性的な女の子も登場するのですが、その子がポイントなのかな…読まれたら教えてくださいね。私も読み直してみます。 (2005/08/10 22:43)
北原杏子 > ちょうど今、この本が手許にきています。バラ色の怪物って何のこと?と、読むのが楽しみになってきました。 (2005/08/10 23:23)
three bells > 北原杏子さんアップお待ちしています。感じてはいるはずなのになかなか自分では表現できなくって。北原さんの感想読みながら、そうそう…と納得したいです。 (2005/08/11 13:09)
nanao > 母思いの良い子ですか。
自分は母子家庭ではないけれど、よく言われました。
昔を思って読んでみたいです。 (2005/08/11 14:53)
three bells > nanaoさん良い子だったのですね!「ぼくは悪党になりたい」でも母子家庭を明るく書かれていましたが、遠藤君もよく自分で考えて答えを出すステキな男の子でした。 (2005/08/11 18:59)