口笛吹いて 重松清 文藝春秋 2005.8.20 完読 2005/08/20 13:38

☆☆☆☆
 重松さんの表題含む5編。

1作除けばお父さんの物語。

表題の口笛吹いて
 小さい頃近所に住んでいた晋さんは本当の弟のように僕をかわいがってくれた。
 その晋さんに仕事上で再会する。晋さんは高校時代野球の名門校に入ったものの、暴力事件で挫折してしまった。それから何年も経ち、お互い大人になってからの再会に、会社の取引の利害関係も絡む。

 男の人には、いろんな所で勝ち負けがつき物で、プライドや見栄も自分を奮い立たせる道具なんだな。
 私は、プライドや見栄は恥ずかしい事のように過ごしてきたような気がする。それは、物事に早くあきらめをつけてしまう悪いこと?見栄を張るのは後で余計自分が惨めになるような気がする。
 こんな事言えるのは私の周りの世界が狭いからなんだろう。男女関係無く、世間の中に身を置くということは大変な事…
 ちょっと夫に感謝カナ。
 リストラなどたいへんな時代を重松さんの視点で書かれていて、どうしても自分の考えの及ばない経験させてもらった。

一番ずっしりきた言葉
「ストレスとは、外からなにか言われたりやられたりしてかかる重圧ではなく、言いたい事ややりたいことが内側にこもったまま出ていってくれない重みなのかもしれない」

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さくら > どれもリアル感あって、ラスト温かさを感じるこの短編集好きでした〜。重松作品では本当にお父さん世代の哀愁を感じでも未来を感じられるのがいいです〜 (2005/08/20 14:47)
three bells > さくらさん、重松さんからのお父さん世代への応援歌みたいな気がしました。 (2005/08/20 23:00)
nanao > 勝ち負けにこだわるんですね。
バカなとはおもいますが、やめられません。
だから、重松作品を読んでまた元気になるのかな。 (2005/08/22 05:24)
three bells > nanaoさん早起きなのですね。早朝からありがとうございます。
重松さんの作品は、人を元気にする素が入っていますね。今日も頑張れそうです。 (2005/08/22 08:46)
やりさん > 重松さんは父親ネタが多いですよね。おっしゃるとおり、自分の考えの及ばない部分を見せていただけるので、ハッとすることが多いです。 (2005/08/23 13:28)
three bells > やりさん、ステキなお父さん達ですよね。かわいいと言うか。一番見栄張りたい相手は息子だなんて。いや、そうなのかもです、きっと私も娘がいたなら張り合っていたかも…(汗) (2005/08/23 20:16)