阪急電車☆☆☆☆

阪急電車

阪急電車

 私の住む町にも阪急電車が走っています。(この本に出てくる沿線ではありませんが)主人は「阪急はとろいねん」(注 ゆっくり走りすぎ)と言います、でもまたそこがほのぼのしていて題材を拾いやすく有川さんの創作意欲がわいたのかもしれませんね。
 有川さんはこの舞台になる沿線にお住まいだそうです。耳を澄まさなくても関西人特有の普通にしゃべっていて漫才みたいな話が聞こえてくるのでしょう。作品の中に会話がほとんどそのままというお話も出てきます。
 阪急電車今津線 宝塚駅→宝塚南口駅→逆瀬川駅→小林駅→仁川駅→甲東園駅門戸厄神駅→西宮北口駅 そして折り返しまた同じ駅をたどった物語で、するんと人々がリンクしていてたまらなくおもしろい!
 自分は電車のつり革にでもなって事の全容を見ている気分で楽しいし「ほら、その人はあそこであんたがすれちごうた人やねんで」とか関西弁で登場人物に話しかけたくなってきます。
 知らないもの同士関わる事が怖い世の中で、人々の触れ合いがわざとらしく感じなかったのは関西が舞台だからでしょうか。
 電車は交わる事の無い線路の上を走っているのに、電車を挟んでいろんな出来事が交錯している…。阪急に乗るのが楽しみになってきました。変に妄想してしまいそう。