「さやか」ぼくはさけんだ

泣くのをこらえると
喉の奥が狭くなったように息苦しくて
つばが飲み込めなくなったみたいなる

声を出そうとすると
自分の声じゃない声が
喉以外の所から出てきて
言いたいことの百分の一も言えなくなる

いつも泣き虫で
父に怒られていた
外に出されて
それでも泣いていた

そんな小学生だった頃を
泣けない今、思い出した。