かわせみのマルタン リダ・フォシェ文 フェードル・ロジャンコフスキー絵 いしいももこ訳 童話館出版 完読 2005/07/09 14:12

わたし(作者)の目で観察した自然の感動がつまっている絵本だと思います。

山の奥から新しい川が生まれ、どんどん下流に向かいます。勢いが無くなりゆっくりになると、そこは生き物にとって人間の踏み込んでいないとても住み心地の良い場所です。
 作者は小さい生き物をも見落とさないように心のめを開き体でも命を感じている様子がよくわかります。

 小さな扇形の足跡が四つずつかたまって泥のうえについているのは、カエルが跳んだ証拠。
砂の上の滑らかなリボンのようなような跡はかわうそがしっぽを引きずったあと。
 大好きな川辺に住む動物たちの様子や川の中の生き物についてたくさん描かれて作者の優しさがどんどん伝わってきます。

 そんな作者の王国に宝石の翼を持ったかわせみがやってきました。かわせみのマルタンは妻のマルチーヌと共同作業で自分たちの住みかをつくり、かわいい雛をそだてていきますが、六年も経った頃マルタンが病気にかかります。マルチーヌは優しくマルタンに尽くします。


かわせみの夫婦の一生を通じ自然の淘汰や輪廻が静かに語られています。
  

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ぱせり > この本、わたし確かに読んでるんです。でも、どうしても内容を思い出せなくて。three bellsさんの☆5つを見て、それなのに、覚えていない自分がさびしいなあ、と思いました。もう一度読んでみたいです。 (2005/07/11 13:25)
three bells > 子供に読み聞かせた時は、なんと説明の多い絵本!と思っていました。最後は悲しいのでもう読んで欲しくないと言ったので本棚に飾ったままでした。
これは大人の絵本かもしれません。マルチーヌがあまりにもけなげで、夫婦像をみつめたい私(笑)にとっての☆5ですのでかたよっているかもです。 (2005/07/11 20:45)