カチューシャ 野中ともそ 理論社 2005・7・28 完読 2005/07/28 22:41

☆☆☆ 
 主人公は高校1年生のかじお。とってもスローモーな男の子であだ名はモー。のんびりとした釣りが好き。
 いつもの釣り場で友達ができた。それはロシアの外国人ですごく丁寧な日本語を話す人。小生は名乗るほどのものではございません…と言うので、勝手にショウセイと呼んでいる。
 隣のクラスに転校生が来た。自由奔放、大胆不敵な彼女伊藤ちづる(カチューシャ)はショウセイの孫娘だった。

 とってもスローなかじお。でもちっとも自分のことであせったりしない。料理研究家の父親に、「自分の好きな時間を一日にちょっとでも持てたらそれでオッケー!」と教わり、退屈な授業も、釣りができると思えば乗り切れる。

 かじおは生真面目。
自分のペースで毎日過ごせるってすごい事だと思う。
ショウセイにはとっても忘れたい過去があり、カチューシャにも自分では言い表せない何かを秘めている。

カチューシャはかじおの前ではいつも正直に自分を出せる。きっと後からその場を取り繕っても、かじおには分かってしまうと思うから。

 生きるのがへたくそのように見えるかじお。
だけど、その生き方が、一番贅沢でホントのことだけ見つめているのだな。かじおが不器用ながら考えたマラソン大会や学園祭でのできごとに感動した。
私は、うまく伝えられないけれど、かじおに流れる時間に巻き込まれると、日々あわただしく生きている人も気持ちが落ち着いてくるのかな。

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うさぎ > 初めまして。すてきなお話みたいですね! 読みたいです。探しに行きます☆ (2005/07/29 14:13)
three bells > はじめまして!私が同じ高校生ならカチューシャのことうらやましく見ていると思います。感想に出てきませんでしたが、かじおの友達の香坂君がとっても私好み(笑)です。 (2005/07/29 15:10)