今ここにいるぼくらは 川端裕人 集英社 2005.10.4 完読 2005/10/04 15:14

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 小学生博士(呼び名はハカセ)が中学に入るまでの成長記録…
なんだか一行で言ってしまうととても安っぽくなってしまってゴメンナサイ。

 普通は一人の事を書いていたら成長した順になっていくのだろうけれど順不同だったが違和感無くどんどん読めた。
なるほどそれでこんな順番かあ!と気づいたときはすごく嬉しかった。

 博士が小学3年の時、関西から関東地域に引っ越して言葉のイントネーションの違いでしゃべるのが億劫になってしまった。
 自分の居場所が無いと思えて学校に行くのも嫌になって、夕方のサザエさんの終わりの歌が流れるととても憂鬱な気持ちになった。

ああ、私もサザエさんの歌が憂鬱な時代あったなあ。思い出しておかしくなった。

 学校へ行かないと決め、川を遡っていく半日の間に後々の大切なな出会いをしていた。

 些細な出会いがこれからの大切な出会いになっていくのも、それは時という川の流れの中でつながっているからだ。
川の中ではひとりぼっちで泳いでいるのだけれど、いつか、海にまで下らなくても流れがゆっくりになって振り返るときには出会うべきものには出会っていたのだと気づく。それは途切れる事のない同じ水脈で起こることなんだね。


博士が過ごした順番でもう一度読み直してみよう。


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ぱせり > こんにちは。この本、雰囲気が凄く好きでした。川をさかのぼってくだって、それから宇宙まで続いているイメージがよかったです。
博士が過ごした順番で読み直すの、いいですね。 (2005/10/05 13:21)
three bells > ぱせりさん、引用しだしたらきりが無いくらい感動しました。川の始まりは宇宙と同じ、子供の無限大な成長を感じました。 (2005/10/05 23:06) 北原杏子 > 読まれましたね。博士が過ごした順に読むというの、いいですね。本当に感動した本って、感想が書きにくいですよね。言葉にならない感じがして…。 (2005/10/05 23:36) three bells > 杏子さんの感想ですごく読みたくて!本当に良い作品でした。感想も一度書いて引用だらけでまとまらず書き直しました。もう、皆さん読んでください!って気持ちです。 (2005/10/06 19:05)