一瞬の風になれ 1 佐藤多佳子 講談社 2006.10.11 完読 2006/10/12 14:36

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nanaoさんの日記で知りました。

 本を読んでいたのに、汗をたくさんかいて運動した後のような気分になりました。
それは爽快感とは違う、部活で自分にカツを入れて苦手な所を強化するべく頑張ったのにままならない体が疎ましい気持ち…(実際文科系なので味わった事のない気持ちなのですが・・・)

 サッカーの遠征で東京に来た新二は、小学校からの友だちで東京に引っ越していった連と連絡を取る。
二人はベタベタした友だち関係ではなく、でも気づけばいつもつるんでいた仲だ。
 連は陸上のスプリンターで天才的だがやる気があるのか無いのかわからない。中学2年の時に全国7位の成績を残しても陸上を今は辞めている。
 新二の兄はサッカーでプロから声がかかるほどのプレイヤー。新二もサッカーをしているが努力しているのに報われないタイプだ。
 サッカーができる高校を受験してサッカーを続けていく事が家族の中では当たり前に思われていたけれど、新二は後三年間続けるファイトが無くて、家族の反対を押し切り公立高校を受験した。
 その高校は連も入学していて、陸上の天才的才能を腐らせたくないと思った新二は連に陸上部への入部を勧めているうちに自分も連と走りたいと思うようになった。
 もともと走る事、体を動かす事が好きな新二はフォームは全然だが、陸上部で連についで二番目に早い。一年生、しかも陸上ど素人の新二が連とリレーの選手に抜擢された。


 リレーを知って新二がどんどん貪欲に自分を変えようと、変わろうと努力する姿に、胸の中がジンジン痛かったり、やったやん!と叫んだり忙しい小説でした。
 サッカーのチームプレーとはまた違ったチームプレー。
登場人物も味のあるヤツばかり!陸上部顧問の通称みっちゃんは、きっとこれから泣かせてくれるんじゃないかと期待しています。

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nanao > >陸上部顧問の通称みっちゃんは、きっとこれから泣かせてくれるんじゃないかと
私もそう思いますよ。なかなか味わいがあって、頼れる監督ですよね。
2も手もとにあるので、読んでみますね。
(2006/10/13 13:05)

three bells > nanaoさん、2ももうお手許ですか!良いですね〜。私も早く読みたいです。恋の予感があったりして?みっちゃんにも分けてあげて欲しいな。今どきこんな先生ってドラマでしかいませんよね…新二、良い出会いしましたね。 (2006/10/13 19:12)