獣の奏者 完結編 ☆☆☆☆☆

獣の奏者 (4)完結編

獣の奏者 (4)完結編

 あぁ…やっぱり読んでしまった。

どちらかというとファンタジーは得意じゃないんです。
どこかつじつまの合わないところをちょっと発見すると冷めてしまって入り込めない。
だけど、上橋さんの物語はのめりこんでしまいます。
きちっと最後が見えてそれに向かって文章にムダがないんだと思います。

あとがきに続きを書くためらいについて
闘蛇編と王獣編で完結していて球体のような物語になにかをくっつけた感じにしたくなかった。
とあります。
佐藤多佳子さんの気持ち
もっとよみたい。・・・・・この完璧な物語の完璧さが損なわれてもいいから
まったく私も同意見でずっと心にエリンが生きていました。

続きを書いてくださって良かった。
読後は苦しい物語だったけれど、本を閉じると表紙の二本の木を揺らす凛とした風を感じることができました。