リテイク・シックスティーン☆☆☆☆

リテイク・シックスティーン

リテイク・シックスティーン

 高校に入学したばかりの沙織は、クラスメイトの孝子に「未来から来た」と告白される。
みらいの世界では27歳無職の孝子は、イケてなかった高校生活からやり直せば未来も変えられるはずだと思い、
「人生やり直したい、って思った時に、高校からどうにかしたいと思ったらココに来た」という。。。

 未来から過去に戻って来る話は何冊か読んだ。それらの本は戻った人からの目線で書かれていたものが多かったがこの本は、打ち明けられた側の沙織からの目線で書かれている。
 これまで数冊、豊島ミホさんの作品を読んでいるが、どれもイメージは緑で甘すっぱい自分の青春の記憶をどこか思いださせるものばかりで、この作品も読後爽やかだった。

 自分がもしやり直すとしたら?
そう、高校生からやり直したい…いや…やり直すのではなくて高校生の自分に一日戻ってみたい気持ちはある。
しょーもない事に悩んだり泣いたり笑ったり。全て自分自身の事に時間を費やせていたあの時代。
 27歳にして孝子がやり直ししたくなる状態がどんなものだったのか、私には想像できない。
(そんな私は幸せだね。)

 この本を読んで、やり直したい気持ちの人が、どんな時代のどんな自分も大切なだって思ってくれるといいな。