ともだちのしるしだよ

ともだちのしるしだよ

ともだちのしるしだよ

 難民キャンプに暮らすリナとフェローザ。
二人が出会ったきっかけは救援活動のトラックから救援物資をもらおうとした時だった。
 リナは片方だけのサンダルを見つけ、もう片方はどこかな?と見回したところ、もう片方はフェローザがひびわれた足に履いていた。
 リナがはじめましてと声をかけてもフェローザは何も言わずそのまま去っていった。
リナは2年も裸足のままだ。大切に片方だけのサンダルを履き川でせんたくをしているとフェローザが片方のサンダルをリナに置いていこうとする。おばあちゃんに片方だけではおかしいと言われリナに持ってきたのだ。
 去っていこうとするフェローザにリナは
「ふたりのものだよ」「ともだちのしるしだよ」

 交代にサンダルを履くことにした二人。
 けれどリナがアメリカに行く事が決まり別れの時が来る…。

 今の満たされすぎている私たち。でも心は満たされている?
 現状があまりに過酷で先が見えそうに無くとも、希望を無くさず暮らしている少女の姿は、きっと子どもたちに伝わると思う。
 訳者が高校生であることに驚いた。
 二人の穏やかで無い生活の中での穏やかな心が良くわかった。