小さな王さまとかっこわるい竜☆☆☆

小さな王さまとかっこわるい竜 (おはなしルネッサンス)

小さな王さまとかっこわるい竜 (おはなしルネッサンス)

 一年中雨のやまない王国があった。
空色というのは灰色のことだと思っていたし、星空も見たことが無い。
お天気の話をするときは
「きょうは、まろやかな雨ですね」とか
「今夜はとんがった雨ですね」とか言った具合。

 その王国の王さまは、まだ小さくて紙の王冠をかぶり、小さいかっこわるい竜を従えていた。
代々の王さまは王国の人々になんでも分け与えて感謝されていたが、この小さい王さまには分けるものは残っていなかった。
 みんなに分けてあげられるもの、みんなが喜ぶもの…
「雨が降らないようにする空の詰め物を探しに行こう」
小さい王さまは、竜と一緒に海を越え詰め物探しの旅に出る。。。
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なかがわちひろさんの優しい文章と絵にホッとこころが和む。
小さい王さまが旅に出る時にお母さんが、
「小さなことのやくにたたないものは、大きなことのやくにたつものです」
と、役に立つかどうかわからない地図を持たせるときが印象的。



あしたは京都に「まろやかな雨」が降りますように・・・