鉄のしぶきがはねる☆☆☆☆

鉄のしぶきがはねる

鉄のしぶきがはねる

 北九州工業高校の1年生、心(しん)は、男子ばかりのクラスの唯一の女子。
部活は「コンピューター研究部」所属。
コンピューターは人を裏切らないし工業製品は正確かつ精密であらねばならないから、人の手よりも確かだと思うから。
 学園祭を前にして、心は「ものづくり研究部」から助っ人を頼まれる。
百十周年を記念して、ペーペーウエイトとステンレスソープを110個てづくりするため、人手が足りないらしい。
 心は元々 三郷金属工業の一人娘で工場の作業を見るのが好きで、いつも工場に見学に来ていたから「もの研」の部屋から聞こえてくる機械の音にひかれていたが、工場は今は無く、それも人の裏切りが廃業の発端であったために気持ちを遠ざけていたのだ。
 それでも、機械のセンスを見込まれ「もの研」の手伝いをするようになった心は、ものづくりへのめり込んでいく。
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 見たことも無い機械、専門用語ばかりでも読んでいるうちに自分なりの想像ができて楽しかった。
好きだと思ったら、見方が変わる。
木工少女の時もそうだった。
 ものづくりは楽しい!
形のあるものだけでなく音楽だってそうだ。
つくりあげていくうちの悩みや迷いがまた楽しいのだ。