空色バトン☆☆☆☆

空色バトン

空色バトン

 高校三年の一学期の学期末に近い頃、
友だちとエロ話している時刻ごろにオカンは死んだ。
 旧姓は樹村ショーコ。子持ちの専業主婦40歳。夫は神戸に単身赴任中。
子供の頃から住んでいた町の実家でもある我が家にて、夕餉の支度にかかろうとした矢先にまさかの突然死。
 オカンの印象は一言でいうと地味な人。
料理は何を作ってもうまかったが、ちょっと太めで、おっとり、服のセンスいまいち、存在感が薄い。
そんなオカンのお悔みに、小学校から仲良しだったと三人組のおばさんがやってきた。
三人は印象からいうと「学級委員」「ギャグ」「女王様」で統一感が無く
それにオカンが加われば見事に空気なんじゃないか?
 俺にも幼なじみがいるように、オカンにもオカンなりの友達、青春があったのか…
・・・・・・・・・
 俺の話から始まって、各章はオカンの中学時代の友達の話が連作になっている。
とてもリズムのある文でラップを聞いているようにすらすら読めた。
 くらい話になりがちなのに空を見上げるように清々しく
オカンが亡くなってから、周りにいる人がよく見えるようになったセイヤくん。
 そうやって心にバトンが渡されていくのかな。