月と雷☆☆☆

月と雷

月と雷

 小学生の頃から女にもてると自覚した智(さとる)は最近30歳になって結婚を意識し始めた。
しかし、ことごとく結婚を切り出すと女の方から離れていく。
 なぜ?女に尋ねると「あなたは、ふつうのことがふつうにできないでしょ」というのだ。
普通のこと・・・?それは生活だという。
 自分の生い立ちを振り返ると、母は生活のできない女だった。
というのも人に好かれる能力、人に助けてもらえる能力が発達しているが自分で生活する能力は欠落していた。。。
・・・・・・・・
読んでいて本当は何がどうなのかちょっとわからなくて
ほとんど途中はナナメに読んでいたけれど
後半では、
何がふつうなんだろう
何を物差しにいうんだろう
ふつうと思って生活している人が
ほんとうにふつうなんだろうか
自分って何?
自分を全うするって?
・・・いろんな疑問が頭の中をぐるぐるとした。
でも結局のところわからないで読み終えたはずなのに
私自身を肯定してもらえたような安心感がひろがって
ほっとした。