禁じられた約束 ロバート・ウェストール 徳間書店 2005.9.6 完読 2005/09/07 09:12

☆☆☆
 時代は第二次世界大戦の少し前、14才のボブとヴァレリーの初恋の物語。

 裕福なヴァレリーと労働者の息子ボブは、同級生でお互い魅かれ合ってはいたが、身分の違いや同級生のからかいを恐れ遠くから見ている程度だった。
 ヴァレリーの父とボブの父が親しかったため、内密にヴァレリーから食事に招かれる。ヴァレリーは余命少ない病気にかかっていて、その事で身分も違うが、両親はヴァレリーの話し相手にボブを頻繁に家に招き入れるようになる。
 外出を止められているヴァレリーだが外の世界を見たいと言い、両親の目を盗んでこっそり散歩に出かける。そのとき、「よく怖い夢をみるの。迷子の私をだれも捜しに来てくれない夢。私が迷子になったらきっと見つけると約束して」
ヴァレリーの不安を静めるため約束するボブ。
 ある日、散歩がたたったせいかヴァレリーは死んでしまった。両親もすごく悲しんだがボブはヴァレリーがいなくなった事が信じられず、ヴァレリーとの約束を果たすためにヴァレリーを探し求める。そして、死んだはずのヴァレリーが現れ…


 これは、初恋の物語だと思うのだけれど、誰もが国のために戦争に行きたがった時代でもあり、命を簡単に失っている中で、ヴァレリーの生きたいという気持ちが強く感じられた物語だった。