黄色い目の魚 佐藤多佳子 新潮社 2005.9.11 完読 2005/09/11 21:32

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 木島と村田みのりの物語。
最初はすごく遠くにいるのに出会うべくして出会ったという感じ。
絵を純粋に愛している二人が絵に引き寄せられてお互いを意識するようになる。
それは簡単にではなく、ゆっくりたしかめながら。

私も、みのりの気持ち、木島の気持ち、交互に確かめながら読んだ。

飾ったり嘘をつきたくないみのり、それが人を傷つけてしまう事もあると知った。
  “毒がある。自分の出す毒にやられて自分が汚れて苦しくて死にそうになる。”

のりをモチーフにしている木島。みのりの中身を表現したい。
  “村田の印象そのものがむずかしい。屈折しているのに恐ろしくまっすぐだ。静かなのに激しい。閉ざされているのに開けている。”

木島と出会って自分が変わった気がするみのり。好きなぶんだけふあんも増える。
  “私の心からキライが減って、好きが増えてた。・・・
   でも、もし、コレがオセロのようなものだったら、どうなるんだろう?・・・パタパタと世界がキライの色に戻ってしまうんだろうか。”

私は木島とみのりの大切な時間を、その場で透明人間になってドキドキしながら見ていた。

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butti > ”その場で透明人間になってドキドキしながら見ていた”
そうなんですよ〜!!入っちゃうんですよね。私も、彼らがすぐそこにいるように感じながら読んでいました。どこかで佐藤さんが、「今度は大人サイドの話も書きたい」仰っていたと記憶しているので、早く読みたいですよね♪ (2005/09/12 02:22)
キイロイトリ > おもしろそうなお話ですね。佐藤多佳子さんの文章、好きになったのでぜひ読んでみたいです★ (2005/09/12 10:20)
three bells > buttiさん!息を殺してみていましたよ…似鳥ちゃんと通ちゃんも気になるんですよね!あとがきにまた10年後ってなってるので待ち遠しいですよね! (2005/09/12 20:52)
three bells > キイロイトリさん、佐藤さんどんどん好きになっていきます。私の感想は感動が書ききれてないので、読まれたらアップして下さいね。楽しみにしています。 (2005/09/12 20:55)