流星ワゴン 重松清 講談社文庫 2005.9.27 完読 2005/09/29 16:12

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 死んじゃってもいいかな…38歳の僕(カズ)は5年前に事故死したはずの父子の車に拾われ、時間を越えた旅に向かう。
 過去をさかのぼって着いた所は自分にとって、とても重要な分岐点。過去は変えられないだけれど何もしないでもう一度同じ時をやり過ごすのも、変えられないと知っていて悪あがきのよだが、できる限り手を尽くすのも自分次第。
 
 自分と同い年の親父に会って、少年時代に感じていた親に対する反抗の気持ちと、今自分の子どもに対して感じるの親父の気持、そんなサンドイッチな状態で自分は何をしていけるのか模索する。



 親子の気持ちを考えさせられた。
子どもだったときの心はいつオトナの心と交換してしまうのだろう。

 受験生の広樹が両親に感じる気持ち、「応援されるのは嬉しいけれどそこが嫌だった」とか、チュウさんが「結果はダメだとわかっているからと子どもに教えてしまって希望を奪ってはならない」など読んでいて、大人になって親になってから子どもに「あなたのために」と押し付けていたことの多さに気づいた。

 残念なのは奥さんの美代子があんな依存症にかかってしまった事。私なら買い物依存症とかのほうにかかりそう。

重松さんは、カズに今の状況を全て受け止める事で未来につなげたのだろう。

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雨あがり > こんばんは。「子どものために」と思ってしている事が、自分が子どもだった頃に親からされてイヤだった事と同じだと気づいて愕然とすることがあります。子どもの時の気持ちを、時々は思い出すのも大切かもしれませんね。美代子さんの依存症、私も理解し難く、実際あのような悩みを抱えた人は大変だろうな、と思いました。 (2005/09/29 21:38) 雨音 > 初めまして。私はこの本を中学生の時に読んだのですがすごく元気をもらったのを覚えてます。でも大人になってから読んだらまた違うことを考えたんだろうと思いました。 (2005/09/30 00:56) three bells > 雨あがりさんこんばんは!最近実母が弱くなってしまい、母が私の年の頃はどんなだったかとか考えるようになっていました。そんな時読んだのでずっしりきました。 (2005/09/30 19:09)
three bells > 雨音さんはじめまして!中学生で元気をもらえたのですか。重松さんは幅広い年代に感動を与えてくれますね。 (2005/09/30 19:22)
やりさん > 「子どもだったときの心はいつオトナの心と交換してしまうのだろう」うんうん、ホントそうですよね。で、いつの間にか知っているんですよね。親が万能ではなくて普通の人間だって事。子育てに正解はないけれど、考えていくことが大事なんですよね。読んでいて痛い!と感じる部分が多いお話でしたが、ラスト希望を読み手に与えてくれるところは、さすが重松さん!!私事ですが、私もあと2ヶ月でお母さんです〜★ (2005/09/30 21:29) three bells > やりさんもうすぐですね!今が一番幸せな時かしら。
私は子供時代の気持ちほとんど忘れてしまっている事に気づき頭の固さに反省しました。我が両親も堅物でいやでしたが今にしてみれば、親として威厳を全うしてくれた事に感謝する事もあります。親として子供を守りきる自信があればいつかは伝わるものなのですね。 (2005/10/01 10:36)