イタチ帽子 岩瀬成子 文溪堂 2005.10.12 完読 2005/10/13 09:03

☆☆☆
岩瀬さん2作目。
1995年に初版のこのお話は“おはなしメリーゴーランド”というシリーズのなかの一つで挿絵は長新太さんです。

 やっぱり岩瀬さん子供をよく見ているな、もしくは自分の子供時代が頭の中でビデオ化されてすぐ巻き戻し可能なのでは?

 みっちゃんは6年生。私は2つ年上のみっちゃんと遊ぶのが好きだ。みっちゃんはとても自分勝手だし、すぐに怒ったりするけれどなぜだか遊びに行ってしまう。
 みっちゃんの家へ向かう途中に写真屋があってそこのおじさんはいつも毛皮のイタチ帽子をかぶっている。無愛想でこわいからキライだ。
 ある日のみっちゃんちからの帰り、写真屋の前で交通事故のひき逃げを目撃する。おじさんも見ていたはずなのに自分とは車の色さえ違うように覚えていて…

 子供同士の細かいいざこざのちょっと嫌な雰囲気や子供だから信用してもらえない事、大人の勝手など私(月ちゃん)の目から描かれている。