きみの友だち 重松清 新潮社 2005.11.28 完読 2005/11/29 14:22


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 恵美ちゃんは大事なものを失った。だけど大切な事を手に入れたね。そう読んだ後思いました。

 交通事故で松葉杖の生活を余儀なくされた恵美ちゃんと腎臓の病で未来が心配な由香ちゃんを取り巻くお話。

 由香ちゃんはすべて受け入れてるんだ。そして、まあるい心で返事を返している。だから恵美ちゃんも由香ちゃんのおかげでトゲトゲをまあるくしてもらえたような気がする。

 松葉杖でゆっくりしか歩けない。腎臓に負担がかかるからゆっくりしか歩けない。二人は閉じている。そう見えるのは周りにいる者だけ。
 本当は自分達がゆっくり歩きたいし、うんと二人でいたいからそうしているのに周りはわかっていない。


 恵美ちゃんの弟のブンの友だちのお話。
この本を読んだ後では友だちとか親友と言う言葉を軽く使えないけれど、きっと誰よりも親友でありたいトモとの話より三好君の話の「ぐりこ」で泣いた。

 
 『わたしたちは他の子よりたくさんうつむいてきたから、二人でいたら、たくさん笑えたの』

本物の心しかいらないんだよね。
 

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nanao > 「ぐりこ」、泣けましたね。
あそこまでは思いつきませんね。
上辺だけの友達は簡単ですが、親身になれる友達って少ないのでしょうね
(2005/12/01 18:12)

three bells > 自分の息子も不器用なヤツなのでつい重ねてしまいました。でも着実に前に進んでるんですよね。励まされました。 (2005/12/01 22:06)
さくら > 良かったですね〜「その日のまえに」に続いてこれ!続けて泣かされました。 (2005/12/03 12:41)
three bells > さくらさん、本題は友だちについてなんですが、子どもにも読んで欲しい命のお話でもありますよね。 (2005/12/04 07:13)
ケイ > threebellsさんの感想読んでいたら、重松さん児童書も書ける方かなあと思いました。この本未読ですが、重松さんの書くこどもたちはいやみが無くって、ほんとうにいそうな子が多いの。不思議な方ですね。多才です。 (2005/12/04 16:03) three bells > ケイさん、レスありがとうございます♪重松さんは人の心を表現するのがとってもうまいですよね。大人が子どもの時を思い出して読むのもよし、子どもが友だちのいろんなあり方をココで経験するもよしな本です。 (2005/12/04 22:43)