さくら、ひかる。 小森香折 BL出版 2006.10.18 完読 2006/10/19 09:41

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 中学生の希世は自分の意見をはっきり言うのが苦手。友だちの亜楠(あなん)はハキハキした女の子。
 ある日蜘蛛が教室に迷い込んで殺されそうになったところを希世は「くもを殺したらたたられる」と蜘蛛を逃がす。
そんな事は聞いた事がないと亜楠に馬鹿にされるが、希世の家では当たり前の慣わしなのだ。
 ぼくも聞いたことがあると寿和が言う。「桜を切らば人が死ぬ」とも。
 やっぱり、家だけの慣わしでは無かったのだと喜ぶ希世。
夢で、代々の旧家である希世の家の桜が枯れかけその桜は「方陣」を守る大切な桜。桜を守るのは桜巫女である希世の役目だと土蜘蛛に言われる。
 夢なのか現実なのか…人の邪悪な心がヒトギツネとなって方陣を破り里を荒廃させていく事を止められるのが希世。
 
現実の人も夢の中に入り込み、ファンタジー+時代劇+現代でとてもおもしろかった。

小森さんの本は「ニコルの塔」を最初に読んでこれで2作目を読みます。
ニコルのほうも“不思議な世界で後にどんでん返し”でおもしろかったけれど、この本も日本の言い伝えの大切さなど盛り込みながら中学生の視点で、引っ込み思案な自分を変えたり、人とのつながりを考えたりで楽しく読みました。

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すもも > 四つ☆ですね。>日本の言い伝えの大切さ・・・。おもしろそう。図書館で見かけたので、今度行ったら借りようと思います(^^) (2006/10/30 09:48)
three bells > すももさん、さわやかなファンタジーでした。すももさんの読んでいらした「うしろの正面」も読んでみたいです。 (2006/10/31 21:41)