夕暮れのマグノリア 安東みきえ 講談社 ¥ 2007.8 完読 2007/08/22 22:35

☆☆☆☆
 久しぶりに図書館へ行き、児童書の新刊の棚にありました。
この頃は絵本ばかり読んでいて、それも、手当たり次第だったのでだれてきていて小さい字が恋しくなってきていました。
 本に帯だったであろうひと言が貼ってあり
「児童文学界からきらりとその姿をあらわした、美しく巧な筆致の、新・ヤングアダルト小説。」
YA大好きの私。夕飯作りはさておき一気に読みました。

  主人公は中学1年生の灯子。
 おじさんが灯子の5歳の時に亡くなってから不思議な体験をするようになった。
 こんなふうに書くと現実離れしたように思うかもしれないけれど私は灯子の感受性の強さだと思うし、とても共感しました。

「見えないってことはいないってことにはならない。
世界は見えているものだけでできているんじゃない。」

「だれにも知られなければいいんだって?
 だれにも知られないことなんて、あると思うのかな?
 だれが知らなくたって自分がしっている。自分の心臓をいったいどうやってだませるのかな。」


 エアコンもつけていない蒸し暑い部屋で読んでいるのに、美しい細い線の情景が見えてくるようでした。
おじさんを亡くしたおばさんの話や、今どきの中学生のハジキに触れたりして爽やかでは無い内容なのにとても落ち着いて本を閉じることができました。

夕暮れのマグノリア

夕暮れのマグノリア