土笛☆☆☆☆

土笛

土笛

 時代は今から1800年前、日本が大陸の人々から倭国と呼ばれていた頃の奈良盆地が舞台。
古事記日本書紀に登場する水の神のよりしろ ミズハ は水の声を聞く事ができた。
ミズハの父は宇陀地方の村長で礼節えお尊ぶ長として慕われていた。
その土地で採れる値打ちのある鉱石「朱砂」をめぐり、自ら 天の神の子と名乗る長が率いる軍が攻めてくる。
今まで自分の力がどんな影響を及ぼすのか知らなかったミズハも
水の声を聞きながら父を家族を、その土地を守ろうとするのだが・・・
・・・・・・・・・・・・
 佐竹美保さんの挿絵もすばらしい。文章もぐんぐん読ませてくれる。
一冊にするには惜しい。せめて前後編にしてほしかった。
 滅んでいく先が見えてしまうミズハの気持ち…
抗う事が出来ない運命に向かいあうミズハが痛々しい。